抜けた乳歯をどうするか。国ごとにさまざまな言い伝えや習慣があります。アメリカ・カナダでは、寝る時に枕に下に抜けた歯を入れておきます。そうすると眠っている間に歯の妖精がやってきて、抜けた歯を持っていき、その代わりにコインを置いていってくれるそうです。また、チリやコスタリカでは抜けた歯をイヤリングにして、自分で身につけておくユニークな習慣のある国もあります。一方日本では、大事にとっておく人が多いようですが、そのまま捨ててしまう人はまずないでしょう。きれいな歯が生えてくるように願いをこめて、上の歯が抜けたときには縁の下に投げ、下の歯が抜けたときには屋根に放り投げるという習慣があります。こうすると早く伸びるようにとの願いからであります。現在、日本の習慣文化の変化と建物の構造変化で、縁の下はシロアリ対策で空気口のみとなり、屋根は3階住宅の出現などで投げても届かなく、行き場を失っているようです。ちなみに我々歯科医療側は、抜歯した乳歯は、医療廃棄物として厳密に処理されなければならないとされています。