最近よくかめない子、あるいはかまない子が増えているといわれています。子供たちは歯ごたえのある固いものより、ハンバーグに代表されるやわらかい物を好んで食べるようになってきました。成長期によくかむことをしないと、あごの成長はもちろんですが、体全体の成長も悪くなります。脳の発達にも影響を与えるという報告もあります。ここに、噛む(咀嚼)が人の短期記憶に及ぼす影響を調査したデーターがあります。噛む力と知能検査の相関です。幼稚園児を無作為に普通食と咀嚼食(硬い給食をよくかんで食べる)指導し比較したものです。
実験前後、噛む力は硬い給食を食べた園児では、噛む力が7kg増加しました(通常は20kg程度)。普通食では、2kg程度の増加にとどまっています。そして数昌テストでは、普通食では0.6点上昇しただけでしたが、硬咀嚼食では7.7点から9.0点と1.3点も増加したのです。その結果、咀嚼習慣(よく噛む)のある幼児は、短期記憶向上に役立っているものであります。
われわれの年齢では、すでに遅しでしょうか?